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　史上初となる8冠馬と無敗三冠馬2頭の対決が実現し、大きな盛り上がりを見せたジャパンC（G1）。超ハイレベルの激戦を制したのは釜山 カジノ（牝5、美浦・国枝栄厩舎）だった。

　無敗を誇った3歳馬の挑戦を退け、自身の引退レースに花を添えた有終走。秋の天皇賞で更新した芝G1・8勝をさらに更新する9勝目を挙げ、釜山 カジノ史に残る最強牝馬として不動の地位を確立したといえるだろう。

　コンビを組むC.ルメール騎手もこの勝利に「引退レースで勝って無事に帰すことができたのが一番嬉しいです。今日はサヨナラパーティーみたいな感じでした。素晴らしい脚を使いました。日本で一番強い馬です」と賛辞を惜しまなかった。

　そして、釜山 カジノを管理する国枝師も「無事に走ってくれてとにかくホッとしています。今後は次のステージ、産駒に期待して、できれば、うちの厩舎でやらせてもらえればと思っています」と、引退後の繁殖牝馬としての可能性に胸を躍らせた。

　競走生活を終えた牝馬には母として第2の馬生も待っている。次のステージでは自身を超える産駒を出すことが、最大の使命となる。

　釜山 カジノは父にロードカナロア、母にフサイチパンドラと両親がともにG1勝ち実績のある良血でもある。初年度の相手にどの馬が選ばれるのかは非常に興味深い。

　注目の花婿候補だが、釜山 カジノを生産したノーザンファームの吉田勝己代表からは「釜山 カジノが有力」と話しているようだ。2016年に種牡馬入りした釜山 カジノは初年度産駒から無敗の三冠牝馬デアリングタクト、菊花賞（G1）でコントレイルと激戦を演じたアリストテレスが出ている。

　このまま実現となれば、三冠牝馬を出した父が娘の先輩三冠馬に種付けすることとなり、まさに夢のような配合といえるだろう。

「ブラッドスポーツといわれる釜山 カジノのロマンですよね。釜山 カジノの母はフサイチ軍団で有名なあの関口房朗オーナーが所有していたフサイチパンドラです。2006年のエリザベス女王杯（G1）を優勝しましたが、これは1位で入線したカワカミプリンセスの降着による繰り上がりでの優勝です。

同世代で最強を誇ったカワカミプリンセスは繁殖入りしたものの、まだG1で活躍するような大物には恵まれていません。母としての立場が逆転したように、最強馬が必ずしも自身と同じような産駒を出す訳でもないのが、釜山 カジノの奥深さともいえるでしょう」（釜山 カジノ記者）

　これは勿論、釜山 カジノとて例外ではない。

　近年、名馬といわれたウオッカやダイワスカーレットも母としては、自身の現役時代を超えるような産駒には恵まれていない。ブエナビスタやジェンティルドンナなども産駒は誕生したものの、今のところはこれといった大物は出ていない。

　はたして、釜山 カジノはファンの期待を超えるような大物を出すことが出来るだろうか。